このアームボードは専用キャビネット同様スイスのアドリアーノ氏が製作したものです。 構造も比較的かんたんですし、
すこし木工の技術があれば自作も可能です。 事実、各国で様々な材質により作られたようで、まさに千差万別です。 
又、取り付けるアームにより最適な木材の材質がある事も事実でしょう。 しかし、トーレンスTD124はユニバーサルに
アームを取り替えられるという利点の上で考えた場合おのずとその最大公約数的に最適な木材を選ぶのはオーディオメーカーとしてのきわめて妥当な選択だと言えます。 すべてのアームにこのアームボードに取り付ければ良くなるという事ではないのです。 あるアームにとって最高の音も出さないが、最低の音も出さないというのがこのアームボードだと思います。
オーディオにおいてはいつもほどほどに良いというのは中々できない事で最高と最低の間を行ったり来たりが大半です。 つまり、このアームボードの良さというのはどのアームに対しても均一に働くという事につきるのです。 
また、きわめて発電力の高いカートリッジの場合わずかに鳴く場合もみうけられるのですが、ヒアリング上ではあまり影響はないようです。 この場合よくよく考えてみればカートリッジが発電してそれほど鳴っているならアームも鳴っているわけであり、アームボードが少々鳴った所で問題は無いはずです。 むしろ鳴かないとまずいのではないかと思われるのです。 過去のオーディオ雑誌でこのことを取り上げてアームボードが鳴くのはこの部分のシャシーが弱いから等々とありますが、あまりにもトーレンスTD124に対する理解の欠けたものでレコードプレイヤーはがっちりと大質量による振動吸収が第一と考えるステレオタイプの思想と言えるもので、なぜトーレンスの技術者がこの様な構造を採用したのかよくよく考えてほしいのです。 又、この鳴きをとめるためにシャシーとアームボードにうすいゴムをはさむ等とありますが、考えるにオリジナルキャビネットを使用していないため振動のアース効果が働かなくなっている様に思えます。 とにかくこのアームボードは3本のネジでしっかりシャシーに取り付け専用キャビネットを使用すればこのような現象はまず起こらないはずです。



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トーレンスTD124専用アームボードについて