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1 最初期型 
2 初期型(〜18,000番台) 
3 中期型(20,000〜50,000番台) 
4 Mk.2型
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フルレストア後

最初期型 
2 初期型 
3・4 中期型 
5 Mk.2 
6 現行品 

2020年からレストア担当はT氏から阿部に交代しました。
この十数年間、T氏は TD124 の存在意義をたぐいまれな技術と個性で示しました。
スイスでユルク・ショッパー、TD124を開発した技術者ジャック・バッセから吸収したことを、レストア技術とイデアを我が国に伝えました。 彼のおかげで修理ではなく初期性能に復帰させるフルレストアという考えが浸透したのです。
レコードプレイヤは機械的なプリアンプである、というのが彼の主張でした。 モータの慣らし運転の仕上げ具合、アイドラの接地面の形状、センタスピンドルの磨き、アイドラ支持ブラケットの感度、センタスピンドル軸受け底部の補正、シャシ裏面磨きの工夫その他もっともっと細かいことまでが音質につながっているのです。
ネジの締め方具合まで、一つ一つ丁寧に作業してTD124本来の音の姿に戻す努力を続けてきました。 レストアを引き継ぐににあたり、僕は第2のTD124ルネサンスを目指します。 レコードプレイヤという名に相応しく、レコードをユーザのためにプレイさせる機械に仕上げてみたいのです。
TD124を初期性能にまで復帰させるというのは計器で測定できる数値だけでなく、音楽がどれだけたっぷり含まれているかを意識してレストアしていきます。 これからはレストアが一通り終わって正常な動作を確認してからが勝負です。 試聴に試聴を重ねてより音に音楽含有量をたっぷり盛り込んでやる作業を惜しまない。
TD124の場合、具体的には音がキンキンしている、音がほぐれていない、音の振幅が狭い、艶がない、音の芯がない、ダイナミクスの頂点が定まらない、空気がきれいに震えない、などはプレイヤのもうひと手間の調整で決まります。 プレイヤをちゃんとした状態に戻してから、音色やハーモニクス、音楽の楽しさが出るように整備するのは計測器ではできません。
レコードを聴き尽くしている人間の耳で調整するのです。 もっともっとおいしい音を奏でるプレイヤに進化するために。 動作を初期性能にまで復帰させる。 これは今までどおり。それと新しい作業。 試聴しながら作業を加えて音質に磨きをかける。 ユーザから主に聴く音楽の種類(クラシック、ジャズ、ロック、ポップスなど)、プレス時期(初期盤・70年代以降・現行盤など)を事前にインタヴュしておき、それに配慮した方向で作業を試みます。 音色・音の肌合い・ハーモニクスの彩・明確なリズムの頂点・伸びのあるダイナミクス・雄弁な低音域・確かな音の芯・なまなましさ、などなど。 書いてしまえば簡単ですが、どれも理不尽な日本語です。 音に色なんて、音に肌触りなんて常識ではあり得ません。その理不尽がレコードには刻まれている。 理不尽を再生する。 理不尽な音が聴く人の心をうごかす。 レコードの不思議。
たとえばピアノのレコード。 どんなプレイヤで聴いてもピアノらしい音は出てきます。 でもレコードを聴こうというユーザなら、それでは満足しないはず。 CDでもPCからもピアノらしい音は聴けるから。 レコードでピアノを聴く以上、耳がピアノだと直感する音をだしてみたい。 プレイヤのどの部分に手を加えると上手く行くかを知っているから、表現力が豊かなプレイヤに仕上がっていくのです。
たとえば中高域の滲みを無くしたいとき、センタスビンドル軸受を特別な研磨剤ですこおしずつ磨いては聴きを繰り返すうち、ああこれピアノだ、とピンと来るあの感じ。 ピアノらしい音ではなくピアノの音。ベートーヴェンで言えば、独DGGモノーラルのケンプ、英HMVのソロモン、仏ディスコフィルのナット、それぞれの喜怒哀楽に凄みがあります。 だから耳が引き込まれるのでしょう。 黒い盤に刻まれたピアノの底知れぬ音。 昨年ロシアの女流ピアニストの演奏会を聴きました。 ピアノがPAスピーカのように音を出している。 いまどきのコンサートグランド、大きな音は出る、出るのですが、レコードのほうがピアノの音がしている。 あ、これこれ、と感じてもらえるレストアを心がけています。
レストア作業で重いのは、部品がどういう表情で何をして欲しいかを感じとり、それがどういう音に貢献しているかをイメージすること。 もう一つは個体を傷めずに元に戻すこころがけ。 それには最適な道具をどれだけ持つかも大切になります。 例えばネジ、溝にしっくり入れて回す力が確実にネジに伝わるドライバがあれば、大抵のネジは気持ちよく外れてくれます。 一本一本のネジには表情があり、それに合うドライバを選ぶ。 幸いなことにグレイには前任のT氏が作成してくれた先端を加工したドライバがたくさん残されており、やっかいなネジでもキレイに外すことができます。 そう、ネジ一つ外すにもイマジネイションが要ります。 逆に締める時にもイマジネイションが要ります。 どのくらいの強さで締めるとどんな響きになるのか。 一本のネジでもそれぞれ締めるトルクは違います。 音楽に強弱があるように、締め具合にもフォルテとピアノがあり、締める強弱は無段階で無数にある。 そうして初めてレストアするひとの音楽がレコード再生音に伝わります。 Thorens TD124 にある何十本というネジがきれいに締めこまれていると、やがて部品のそれぞれがしっくり馴染んで再生音にある音楽成分を際立たせ始めるのです。 TD124が振動系コントロールアンプとなって、レコードに刻まれた溝を解読変換していきます。
ヴィンテージと呼ばれるオーディオ機器は、きちんとレストアされてユーザーの元に届けられてからが大切です。 システム全体に馴染むように永く大切に接しないと、システムはいつまで経っても機嫌良い音を出してくれません。 ひとときでも「ハッ」とする音楽が聞こえてきたら。それ、良いきっかけなのです。そういうきっかけを与えてくれる機器が聞き手の耳を磨きます。 ヴィンテージの機器をとっかえひっかえしていると、きっかけも逃げていきます。 ヴィンテージの機器を選ぶとき、飼い犬を択ぶのと同じく直感がはたらくものです。 それを短い期間で取り替えてしまうのは、直感を信じないのと同時に、馴染むことの旨味をパスすることにもなるでしょう。 レコードをかけてみる。音楽が出ているか、音楽に入り込めるか、それをものさしに試聴します。 音楽が耳の穴にぶつからないでしっくり入ってくるか、肌も震わせるか ? だから使う人にいつも聞くレコードや音楽のジャンルをお伺いしている。 音の「肌合い」です。今気になっているのは。 パッと聴いて、「あ、ラフマニノフ」とか「このオーボエの音色」とか「ファンキーなハジキ」といったこと。 音場がああ静か、ぱっと聞いて「ああ、いい」「はいってくるう」なんて、そんな感じ方ができるプレイヤに仕上げるのが、おつとめです。 ちゃんと動作するように本来の姿に戻してやらなければなりません。 同じTD124でもそれぞれの個体で出したい音楽は明らかにちがう。 汚れを取って磨き、動作するところはそれぞれにカチリ、ヌメリ、カン、リン、ソロリ、スッ、っていう感じになるように仕上げいくと、それぞれ違う音楽を奏でてくれます。 ただ、軽く回り、いたずらに開閉すればいい、ではないのです。
なんてったってこれは音楽を人間の気持ちを再生するのですから。 調整の加減は無段階、それを決めるのが一番の仕事。 出てくるのが音でなく音楽にならなければPlayerではない。 ただクリーニングすれば、モータを分解すれば良い、そんな一筋縄ではいかぬのがTD124だと、レストアするたびに思い知らされます。

グレイでレストアしたTD124は5年間保証を続けています。
ちゃんとした機器をちゃんとした状態でレコードを聴く、これは楽しいことです。 ...



作業内容は大体次のとおりです。

1-部品交換 

  モーター内部のボールベアリング、フェルト、軸受け金具、
  ベアリング受けプレートの新品交換(国内では私どもだけが可能な
  技術を持っています。単なる注油クリーニングではありません)

  *フライホイールのチッププレートの新品交換

  *スイッチ部のスムーズな動作の調整とノイズコンデンサーの新品交換

  *モーター取り付けゴムの新品交換

  *センター・スピンドルケースの底部軸受けプレート、スペーサー、
  キャップ金具とビスを新品交換

  *電源コード新品交換 コード留め部品が破損している場合新品交換

  *ゴムベルトの新品交換

  *マッシュルーム・ゴム新品交換

  *アイドラーホイール不良の場合は新品交換

  *アッパー・プレートのゴムシート不良の場合新品交換

  *その他不具合の見つかった部品の新品交換

2-各部の分解組立て作業

  モーター

  *モーターは1週間ほど低電圧で回転させながらアタリを調整して、
  正常な回転音とトルクを増加させる。

  *エージング終了ののち、もう一度モーターを分解し、油をすべて
  除いてクリーニング、磨き作業と注油を再度行う

  *モーター本体から出ているリード線を保護融着テープで保護

  *モーターを再度組立て、アタリを確認後、シャシーに取り付ける

  *通常100VACで48時間以上運転、または一日5時間以上3日間
  運転して、トルク、振動、回転音、温度などの性能チェック

 プーリー

  *研磨機で精密ポリッシュしたのち、手磨きで磨き上げ、ベアリング穴の
  クリーニングを徹底的に作業する

 フライホイール

  *受け部のメタルチップを交換した後、オイルを入れ適時回転させて、
  オイルを取り去り、最小量のオイルを与える

  アイドラーホイール

  *アイドラー中心金属部のクリーニングと上部、底部の磨きを施し、
  オイル注入後スピンドルとのアタリを取った後、オイルを除き、
  必要最少量のオイルを与える

3-各部の調整

  *フライホイールの高さ両性

  *各部パーツの動作チェック

  *センター・スピンドルのオイル量の調整

  *ヴァリアブル・コントロール(速度調整機能)のチェック

  *半月マグネットの位置調整(ヒアリング)

  *クイック・スタート板の微調整

  *エージング、連続運転を実施

4-エージング後の作業

  *センター・スピンドルを抜き取り、最終分解、クリーニングの後、
  組立てアタリをチェック。 必要最小限のオイルで仕上げます

  *ベルトをはずし、フライホイールの分解クリーニングを再度実施

  *アイドラーホイールの分解クリーニングを再度実施

  *すべてのパーツが正常に動作しているのを確認後、ベルト・プーリー
  ・フライホイール・アイドラーホイールをクリーニング仕上げします

  *シャシーをクリーニング、磨き上げます

  *最終ヒアリングによりTD124本来の音質か確認
 
  *依頼者様のご希望の音質に仕上げる最終作業

フル・レストア後の音質向上に、皆さん驚かれております。 回転変換レバーを回す時の
手ごたえからして違います。

トルクが20パーセント以上増えるため、100VACで使用できます。 117VACよりもS/N比と音質が向上します。

価格 ¥154,000前後 (部品代含む 消費税込 送料別)

5年間保証書

期間は2週間です。


レストアご依頼の方には、グレイ制作によるメンテナンスマニュアルを前もってお送り差し上げております。 一度のフル・レストアで、簡単なメンテナンスと調整により数十年は初期性能の水準でTD124をご使用いただけます。


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